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お坊さんのトリセツ

お坊さんのトリセツ Vol.10
横浜 佛立寺 加藤御住職

Q ご住職はなぜお坊さんになられたんでしょうか?

 正直申し上げて、目的があってお坊さんになるということはなかったですね。お坊さんとしては3代目ですが、祖父の御信心に対しての姿勢、御信者さんと接する姿などの日常を見ていて自然に感化されたということでしょうか。ですからお坊さんになるにあたっては何の抵抗もありませんでしたね。

Q 学生生活はいかがでしたか?

 高校時代に弁論大会があったのですが、その弁士を募集していたその時に私が遅刻して教室に入っていったんですね。そうすると、担任が「罰としてはちょうどいい」ということで遅刻した私を指名したんです。教室のみんなもワーッと手をたたいたもんだからそのまま決まってしまったんですね。そういう経緯があって、初めて皆さんの前でお話をする機会をいただきました。

 結局はその弁論大会で優勝したんですが、その結果を見ていたある先生から職員室に呼び出しを受けて、恐る恐る行ってみると先生が「俺はずっと弁論部を作りたかったんだ。お前部長やれ」ということで、最初は嫌がっていたんですが結局部長を引き受けることになり、3年間弁論部の部長をしていました。その部は現在でもずっと続いていて、もう60年くらいになりますね。

Q 内容はどんな内容だったのでしょうか。

 当時は仏教系の学校に通っていて、仏教系とはいえかなりの”ワル”もたくさんいましたから、そういった人に向けて校風について論じた記憶がありますね(笑)

Q PTAにもかかわっていらっしゃったと伺いましたが。

 大阪市のPTA協議会の会長を何年かさせていただいていました。会長ともなるといろいろなところでお話をする機会もあり、また講演会などのご依頼も多いんですね。そういう時に臆することなく話ができるのは、学生時代弁論大会で鍛えられたことと、日常御信者さんに説法でお話をしていることが生きてきているのかなと思いますね。毎回御教歌(※1)を引用してお話をさせていただくのですが、毎回ともなると次はどんな説法が聞けるのかと楽しみにしてくださる方も出てきて、ありがたい限りでした。

(※1)本門佛立宗を開かれた日扇聖人が、仏さまのみ教えを短歌(和歌)形式にして詠まれた教え歌。

Q ご住職は保育園の園長さんのご経験もあると伺いましたが。

 そうなんです。わたくしは現在大阪の経王寺というお寺と、この横浜の佛立寺を兼務させていただいているのですが、保育園は大阪の経王寺というお寺で運営していたんです。昭和17年に戦時託児所ということで子供さんたちをお寺でお預かりしたのが始まりで、その後戦争が終わり、昭和26年に焼け跡から本堂を再興しまして引き続きお仕事に行く御信者さんのためにお寺で子供をお預かりしていました。その後それまでの実績が役所から認められ昭和29年に認可保育所として正式な保育園となりました。子供たちと接するのは私の活力になっていましたね。

(写真は参考画像です。現在は保育園は別団体に引き継がれ運営されております)

Q もし1週間まったく御奉公が入っていないとすればどのように過ごされますか?

 そうですね、今の望みは1週間あれば地方に行きたいですね。何も考えずにボーっと過ごしてみたいですね。実際には実現不可能ではありますが(笑)

Q 特に行きたいところなどあれば教えていただけますか?

  特にどこか特定の地名があるわけではないのですが、海外がいいですかね。電話も通じないような場所で(笑)。そこに古き仲間がそろっていれば最高ですけどね。

Q ご住職の座右の銘があれば教えていただけますか?

 「仏祖照覧(ぶっそしょうらん)」ですね、常に御法様(仏様)は見ているよという意味なんですが、誰にも理解してもらえない、言っても具合が悪いというような時でも仏さまはいつも見ていただけているんだからと帰結してしまいますね。年のせいかな(笑)

Q ご住職の大好きな食べ物をお伺いできますか?

 なんでもいただくのですが、歯を悪くしてからなかなか硬いものはダメですね。ですから最近は肉のようなものは遠ざかっています。ミンチコロッケ位がせいぜいですね(笑)。反対におさかなは大好きで、よくいただくようになりましたね。

Q ご住職の愛読書を教えていただけますか?

 特にこれという本はありませんが、いろいろな本を読んでいますね。父にもよく言われましたが、「本の値打ちは千円であろうが一万円であろうが、その本の中の一行が自分の頭に入るかどうかで決まる。高い安いじゃないぞ」としょっちゅう言われていました。その頭に入った1行が将来自分を変えるかもしれない。そうなったら本自体の値段は関係ないんですね。反対に何にも頭に入らなければ、その本の代金はどぶに捨てたのと一緒だとよく言われました。

Q 一般の皆さんにメッセージがあればお願いできますか

 完全木造つづりのお寺で、御尊像は日風上人の御染筆の御尊像なんですね。ぜひ一般の方もガラッと入ってきていただいて、手を合わせていただければありがたいですね。私自身は大阪のお寺(経王寺)と横浜のお寺(佛立寺)の2カ寺を兼務させていただいておりまして、普段は大阪のお寺に常駐しているのですが、横浜のお寺にもお坊さんは常駐しておりますので是非お声がけいただければありがたいですね。

本日はありがとうございました。

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