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お坊さんのトリセツ

お坊さんのトリセツ Vol.2
川崎信行寺 指田御住職

Q なぜお坊さんになられたのでしょうか

A 私の場合は、親も叔父も祖父もお坊さんでした。高校3年で進路を考えるときは選択肢として自転車競技の世界に入ろうという想いがあったのですが、しかしその時に押し出されたようにお寺に行くと言ってしまい、その後は渋谷の乗泉寺に入寺させていただきました。お坊さん生活はその時からですね。 入寺してからは、改めて仏教(本門佛立宗)の素晴らしさやお坊さんとしての生き方を学ばせて頂き、良かったなぁと実感するようになってきました。東京 乗泉寺では30年、川崎信行寺では12年目を迎え、現在42年ほどが経ちます。

Q お父様、おじい様もお坊さんということは必然ということでしょうか。

A 何かこう「押し出された感じですね」。やっぱりその道に行かなければいけないのかなと思いつつも、一方では好きな道にも行きたいという揺れた時期もありました。結果的に当時住職だった叔父に「隆行君(ご住職の本名)どうだ?」と問われたときに、「ハイ、お坊さんにならせていただきます」と”言ってしまった”んですね(笑)。そこからのスタートです。何か言わされたような感もありましたが、結果としては不思議な導きだったのかなと感じています。

Q 高校時代には自転車競技をされていたんですね。

A そうですね。中学時代は少し遠出するくらいでしたが、高校時代に本格的に取り組むようになり、学校では自転車競技(ケイリン)を中心に活動していました。結構本格的に打ち込んで、走り込んだりもしていましたね。

Q ご住職の日常をおしえてください。

A 朝の勤行、夕看経、御講席、お助行、会議等の日常のほかに、信者のみなさんに法話(御法門)をするための原稿作ったり、素材集めをしたり、本を読んだりという時間が一番多いですかね。本当であれば体動かしたりする時間も多く作りたいのですが、なかなか難しいところですね。他には家族と一緒に過ごして、テレビ見て、というごくごく一般の方と変わらない生活をしています。

Q ご住職の好きな食べ物は?

A 魚介類が好きですね。特に貝類が好きで、その中でもホタテとホッキガイが好きです。他には麺類が好きで、函館塩ラーメンが一番好きですね。

Q お寺の歴史についてお伺いできますか?

A 昭和15年に川崎貝塚にある清證寺の出張所として、小杉の御殿町に15坪位の家を借り受けてスタートしました。その後戦争に入り、戦時中は日吉に疎開しましたが昭和22年にこの場所(下沼部)にお寺が移りました。ですので、82年くらいの歴史があるお寺になります。

Q 信行寺の自慢できるところは?

A 駅チカで利便性がいいということでしょうか。近くの武蔵小杉は最近人の動きも活発になり、多くの若い年代の方々が住むようになっています。お寺の周りに若い方が多くいらっしゃるということも、お寺の将来を考えるととてもいい立地かと思います。また、所属の信者の皆さんも、非常に元気に活躍していただいているところはお寺の自慢できるところです。

Q ご住職になって「うれしい」と感じるときはどんな時ですか?

A 信者さんが信心を持(たも)つということを有難いと感じお寺にお参詣をくださるようになる、そのような信者さんの変化を感じることができた時、またさらには「信じる心」を持つ大切さを多くの方に弘めるような変化につながってきた時がうれしく感じる瞬間ですね。

Q 「信心」していていいことって何でしょう?

A 物質的なご利益を頂くということもそうですが、モノの見方、考え方、人と人との向き合い方が変わっていく事ということでしょうか。つまり生き方が変わっていくということですね。価値観が大きく変わる。大事なものと、そうでないものの区別がはっきり分かるようになっていく。そういったことを通じて、人間として充実でき、幸せを実感でき、”大きな力に守られる” そんなメリットがあるのではないかと思います。

Q ご住職にとっての座右の銘は何でしょうか。

A 一般的な仏教としての言葉ですが、「上求菩提 下化衆生」(じょうぐぼだいげけしゅじょう)という言葉ですね。上(自分自身)は菩提(人格の向上)を求め、人柄が良くなるような修行をさせていただく。下(他人)は、衆生(全ての人)が喜べるようなことを想い修行をさせていただく。他の宗派でも同じ目標がありますが、私たちの宗派では「自利と利他」を大切にしています。恩師は「上と下を見る人になりなさい」とわかりやすく教えていただいていますので、私も日々そういう生き方ができるようにしていきたいと心に止めています。

Q ご住職の愛読書ってありますか?

A 「日晨上人要語禄」という本ですね。日晨上人が書き残された著作物や、ご発言をまとめた本なのですが、他にも参考にさせていただく本はいろいろある中でも、いつも持ち歩くのはこの語録ですね。

Q 日晨上人とはどういう方でしょうか?

A 日晨上人は開導日扇聖人から数えて15代目の御講有(宗門の最高位の上人)で、東京渋谷にある乗泉寺のご住職をしていらっしゃった方で、当時100人くらいいる弟子の中の一人として私も末弟に加えていただきました。

Q ご住職がもし第2の人生があるとすればやはりお坊さんでしょうか?

A 今度は信者としてお寺にかかわりたいですね。今まではご信者の皆様に守られて生きてきたわけですから、今度は信者としてお坊さんを守る、そんな立場でお寺に関わりたいと思いますね。

Q 職業としてはいかがでしょうか?

A そうですねー。ケイリン選手か、ギターリストかな(笑)。

Q ギターかお好きなんですか?

A 中学生の時に始めまて暫く間が空いていたんですが、動画を投稿できるような仕組みができるようになってから改めて弾き始めてみています。ただ、いくつか投稿した動画は恥ずかしさのあまりに削除してしまいましたが(笑)。

Q 動画拝見しました。お部屋にはギターが何本か並んでいましたが、何本くらいお持ちですか?

A シークレットで(笑)

Q 最後に一般の方にメッセージをお願いいたします。

A お寺というのは入りにくい、敷居が高い、また亡くなった時にしか関係を持たない場所として考えていらっしゃる方が多いと思いますが、生きているとき、何もない時にこそ足を運んで頂いて、是非ともお坊さんに困りごとを相談をしていただきたいと思いますね。構えることなく、気持ちを休める場所としてお寺を活用していて頂けたらと思います。

ー本日はお忙しい中ありがとうございました。

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