お坊さんのトリセツ Vol.6
平塚 上行寺 馬養(まがい)御住職
Q なぜお坊さんになられたんでしょうか。
得度(*1)したのが昭和56年、私が小学校6年生の時になります。横浜妙深寺で日晨上人にお剃刀をいただき(*2)得度をさせていただきました。私の父親もお坊さんだったのですが、私が得度したのが当時小学校6年生でしたので、自分自身の考えというよりは父親に進められるがままにお坊さんになったという感じでございます。
(*1)「得度」=お坊さんになること
(*2)「お剃刀をいただく」=お坊さんになる際に髪の毛を剃ること
Q 小さい頃からお坊さんとして過ごされていたんですね。
昭和56年の7月の夏休みに得度させていただき、剃髪をさせていただいたんですね。親としては2学期が始まる頃には頭の毛も伸びているだろうという目論見だったようですが、実際には夏休みが終わって2学期学校行ったら白い目で見られるといったこともありました(苦笑)。
また、父は厳しい人でしたから、他のお寺に法要でお参りする際の随行(お供)を申しつけられることもありました。そのようなご奉公も、分からないながらではありますがお坊さんとしてこなしておりました。
Q 小さいころから短いヘアスタイルで過ごされていたんですか?
中学校くらいまでは親に言われて頭を丸めていたんですが、高校入ってからは何も言わなくなったので伸ばしておりました。
Q 高校時代の部活動について教えてください。
高校時代は吹奏楽部に入ってアルトサックスを吹いていました。高校時代には大会も1,2度は出たことがありますが、実は楽器はあまり好きではなくて音楽は聞くほうが好きですね。
Q 好きな音楽についてお伺いできますか?
もともと中学生の時に音楽を聞くようになったのですが、クラッシックを中心に聞きますね。中学校2年生の時にレコードを買ってもらって、学校から帰ってからよく聞いていました。カラヤンという指揮者が好きでしたね。カラヤンはたくさんのレコードや映像作品も多く、バラエティー豊富な指揮者だと思います。
Q ご住職の好きな食べ物があれば教えていただけますか。
中華料理が好きです。中華料理の中でも麻婆豆腐とか餃子とかエビチリが特に好きですね。
Q ご住職の大切にしている言葉があれば教えていただけますか。
「既成概念に縛られない」ということですかね。日本人は「周りがやっているから自分もこうしなくては」と考える人が多くいると思うのですが、それではこれからの世の中通用しないと思うのです。だからこそ、自由な発想が大切になってくるのかなと思います。
Q ご住職になってうれしかったことがあれば伺いできますか?
お寺の事について、「今後こうしていきたい」という思いを御信者さんとともどもに決めていくことができる、このことがことがうれしく感じることですね。
Q お寺の歴史について教えてください
明治40年代に平塚に数名の御信者さんがいらっしゃいました。その後御信者さんの数も増え、大正12年頃には現平塚駅から歩いて5分ほどの所にある見附町というところに平塚親会場(現在のお寺の前身)として整備されることとなりました。しかし大正12年の関東大震災、昭和時代の第二次世界大戦など現在の地にお寺が建つに至るまでは様々な困難な時期もありました。平成に入りましてお寺の老朽化などもあり、平成6年冬に現在の地、西真土に新しくお寺を建立することができました。
Q お寺の自慢があれば教えていただけますか。
みなさんから「立派な本堂ですね」とお褒めを頂くこの本堂ですね。私自身はあまり本堂の成り立ちについては知らなかったのですが、日定上人(先代のご住職)は新しい本堂を作るにあたって「お寺らしい本堂を作りたい」ということをおっしゃっていたそうなんです。その日定上人の願い通り、お寺らしい本堂として建立された事は自慢できる点かと思います。
Q 最後に一般の方に向けてメッセージを頂けますでしょうか。
御信者になるためには「入信」が必要になりますが、入信しないまでも、もし少しでも興味のある方はお祖師様(佛立宗を開いた方)の教えに触れていただければと思います。また、一般の方がふらっとお参りすることは難しいことかもしれませんが、少しでも門戸を開ければと思いますので是非お参りいただければと思います。