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お坊さんのトリセツ

お坊さんのトリセツ Vol.5
小田原 法正寺 澤田御住職

Q なぜお坊さんになられたんでしょうか。

 私は生まれも育ちも静岡県浜松でして、戦前は大叔父を頼って東京におりまして、戦後はその大叔父が浜松にある正晨寺(しょうしんじ)のご住職になられたことをきっかけに私たち家族も浜松に戻ってまいりまして正晨寺に所属することになりました。

 子供のころは住職である大叔父から御信心の事をよく教えていただいておりました。私も大叔父を父親代わりに思うところもあり、本当に家族のような付き合いをさせていただいておりましたね。小さいころからお寺におりましたので、お寺のこまごまとしたことについてはよく大叔父から言いつけられていましたが、私も「とろい」ところもありサっと逃げられないんですね(笑)。

 そういったご住職である大叔父の姿を小さいころから見ておりましたが、昭和48年にご住職が亡くなるわけです。亡くなる前、病気で伏せっている時に心配してお見舞いに来られる御信者さん達の姿や、臨終(なくなる直前)の時に御信者さん方がご住職のもとに駆け付けて悲しみに暮れている姿、そういった姿を拝見させていただき、お坊さんって立派だなぁと感じるようになったんですね。

 その後、私が高校3年生の時に先輩のお坊さんたちから、「お坊さんにならないか」といろいろお誘いを受けるわけですが、先輩達の生きざまを見ているとやっぱり立派なんですね。そういう先輩たちの生き様や大叔父であるご住職の背中を思い出したとき、自分の将来を考える上で「そういう道もあるのかな」と勧められるままにお坊さんになることを決意致しましたね。

Q 小さいころからお寺の中で生活されていたとのことですが、お寺の生活って厳しいイメージがあるのですが。

ご住職はいつもニコニコして、特に厳しいご住職ではなかったですね。ただ、奥様が厳しい方でいろいろお叱りを受ける機会は多かったです(笑)

私が小学生の時だったでしょうか、お寺のお掃除の時に境内にあった手水の石にコケがびっしり生えているのを見つけてきれいに洗い落してしまったんですね。その時にはこっぴどく叱られました。小学生に苔の「わびさび」はわからないですもんね(笑)

また、表替えしたばかりの本堂の畳を水ぶきでお掃除して怒られたこともありました。表替えしたばかりの畳は空拭きがじゃいといけないんですね。知りませんでしたよ(笑)。他にもほうきでお掃除する際に雑にしていたら「そんな掃き方じゃダメだ。ほうきで掃くときは一寸で掃きなさい(ほうきの先の一寸を使って丁寧にはきなさいということ)」とお叱りを受けたこともありました。

そういう事は怒られながらも教えていただきましたね。

Q ご住職アップルウォッチ使われているんですね。

今の機器を使いこなしているというわけではありませんけど、ちょっと散歩行くときなど歩数とか出てくるから便利ですよ(笑)。

Q ご住職の好きな食べ物を教えていただけますか。

そうですね、なんでもいただきますね。その中でも夕食の食卓にお刺身なんかが上がっているとちょっとうれしくはなったりますね。

Q お寺の歴史についてお伺いできますか?

もともとは大正の末期に鎌倉からお見えになった日住上人という方が小田原周辺にいらっしゃる御信者さんたちのサポートをしてくれていたんですね。その後小田原にも御信者さんたちが集まれる場所をということで親会場と呼ばれるお寺のもととなるようなものが作られ、その後時を経て昭和22年に親会場を正式なお寺として改称し、現在に至っております。ここ荻窪に移ってきたのは昭和33年に土地を求めて移ってまいりました。

Q お寺の自慢って何でしょうか?

なんといっても、お寺を支えていただいている御信者の皆さんですね。境内地が3000坪ございますが、その維持管理に御信者の皆さんが草刈りなど汗水流していただくわけです。草が生える季節になると、月に2回も実施していただいたりします。本当にお寺を支えていただいて感謝しております。

Q ご住職が日々心掛けていることなどあればお聞かせください。

やっぱり師匠の言葉ですね。私は乗泉寺で昭和49年11月に得度をしたんですが、その当時のご住職「日晨上人」という方が私の師匠になるんですね。その日晨上人がよくお坊さん達におっしゃっていたのは、「お坊さんというのはいい気になっちゃいけないよ」と戒められていたんです。もう一つは、お坊さんというのは御信者さん方を「救うこと」が一番大切なことで、お坊さんとして御信者さんが困っているときには一緒に祈り、話を聞いてあげなさいと。この二つのお言葉は今でもよく思い返す言葉で、得度して47年になりますが、私自身のなるべくそのお言葉から離れないように今でも常に心がけていることです。

Q そのようなお師匠さんにお仕えできたということがご住職にとって大きかったんですね。

そうですね。特に学生の頃というのは良い先輩に巡り合えるかどうかというのがその後の人生においても大きいと思うんですね。そういうチャンスを自分自身が大切にしているかというと心もとないところもありますが、私にとって師匠にお仕えすることができた時間というのはとても大切な時間でしたね。

Q 最後に皆さんに向けてメッセージを頂ければと思います。

裃(かみしも)つけてくるお寺ではありませんので、普段着でどなたでも気軽にふらっとお越しいただければと思います。法正寺は入り口から本堂までのアプローチが少し長いので入りづらい所はあるかと思いますが、ぜひ皆さんにお越しいただければと思います。

ー本日はありがとうございました。

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